
地球環境技術推進懇談会
【2025年度 活動方針】
1.基本方針
持続可能な社会構築の観点からも、現在の気候変動や資源の枯渇、生物多様性の減少等に対する課題解決は重要であり、経済発展と密接な関係にある環境問題は、環境保全と経済発展を両立させながら解決しなければならない問題である。
日本では、2020年10月に政府から2050年までのカーボンニュートラル実現が宣言されたのに続き、2021年6月に策定された『2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略』に基づいて、様々な地球温暖化防止のための取り組みが推進されている。 また、2025年4月13日から10月13日に開催される大阪・関西万博では『ビヨンド・ゼロを可能とする日本の革新的な技術を通して、世界に向けて脱炭素社会のあり方を示していく』という基本方針が設定されており、これら革新的なエネルギー・環境技術には大きな期待がかけられている。
このような地球環境問題の解決に向けた動きと、環境に関する革新的技術の開発、システム検討を進め、これらを国内外に展開することにより、地球環境の保全、地球温暖化防止対策に寄与することを目指す当懇談会の活動との関連はますます深まっている。
当懇談会では、温暖化対策、環境経済、循環型社会、エネルギー効率化、省エネの促進、再生可能エネルギー普及拡大、資源の安定供給・利用等の技術開発について、国内外で注目を浴びている地球環境に関する話題を取り上げた、本体活動の講演会・見学会を開催し、産学官の交流を通して、会員各位が環境行動のレベルアップならびに、新たな環境ビジネスの創生につなげるべく活動を展開する。
調査研究は2研究会体制で推進し、それぞれの研究会が個別課題の調査研究に取り組む。「循環・代謝型社会システム研究会」では、循環型社会実現に向けた資源循環の強化と脱炭素化の推進をテーマに関連する調査研究を実施し、「水再生・バイオソリッド研究会」では、カーボンニュートラルを実現すると同時に、生活環境に潜む危険物から解放された安全で安心な下水道技術に関する調査研究を実施する。
また、これまで培ってきた国、自治体、環境諸団体とのネットワークを有効に活用し、事業の協賛開催等により、効率的な事業運営を図る。
【目 標】
1)地球環境保全のための新技術・社会システムの方向性探求
"Think Globally Act Locally " を基本理念とし、地球環境問題に関する国際的な動向を常に念頭に置き、我が国・地域での具体的な課題について議論をする中で、産学官の連携を促進し、自然生態系との調和を目指した新技術や社会システムの方向性を探求する。
2)地球温暖化防止と循環型社会形成の推進
地球温暖化防止と循環型社会形成のため、最新の環境保全技術や社会システムの普及・啓蒙に努め、地域の環境に関する技術的課題に取り組むことにより、自治体や産業界の環境活動を支援し、ひいては環境ビジネス創生を促し関西経済の発展に寄与する。
参 加 企 業
大阪ガス(株)
カナデビア(株)
川崎重工業(株)
関西電力(株)
(株) クボタ
(株) 島津テクノリサーチ
(株) 神鋼環境ソリューション
ダイネン(株)
(株) タクマ
(株) 竹中工務店
月島JFEアクアソリューション(株)
日鉄エンジニアリング(株)
(株) プランテック
メタウォーター(株)
循環・代謝型社会システム研究会
〇活動概要
当研究会は、環境負荷物質などを対象にその代謝機能を担う技術や社会システムを創造・改善
し、循環型社会形成に資することを目的に調査研究を実施している。
政府から、2021 年4 月に、2050 年カーボンニュートラルと整合的で、野心的な目標として、
2030 年度において、温室効果ガス46%削減(2013 年度比)を目指すこと、さらに50%の高み
に向けて挑戦を続けることが表明された。
また、2023 年6 月に閣議決定された「廃棄物処理施設整備計画」では、廃棄物処理を取り巻く
情勢変化を踏まえ、脱炭素化の推進、地域循環共生圏の構築推進、ライフサイクル全体での徹底し
た資源循環の促進などが強調されている。
そこで、当研究会では、2024 年度から2 年間の計画で「循環型社会実現に向けた資源循環の強
化と脱炭素化の推進」をテーマとし、調査研究に取り組む。
テーマ「循環型社会実現に向けた資源循環の強化と脱炭素化の推進」
(2 年計画の2年目)
②主な活動
・産学官の専門家や研究員を講師に招き、技術的課題や社会システム面での課題について調査
研究する。
・廃棄物・資源循環分野における国の施策動向、使用済み家電のリサイクルへの取組み、食品ロス
削減、廃棄物発電の効率化、自然再興の推進、プラスチックの資源循環、PFAS への対応などにつ
いて調査研究を行う。
・調査研究に関する事例の見学を通して、技術的課題や方向性についての調査や評価を行う。
・自主WG活動(適宜)を実施する。
水再生・バイオソリッド研究会
〇活動概要
当研究会は、持続的な水資源利用の観点から、下水の再生利用や汚泥の資源としての有効活用を図ることを目的に調査研究を実施している。
2020年10月に政府から2050年のカーボンニュートラル実現が宣言されたのに続き、2021年4月には2030年の温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減するという新たな目標が掲げられ、地球温暖化対策は下水道事業においても急務となっている。
一方、水循環系における化学物質や細菌・ウイルスなどの健康リスクの発生源や全体像は、まだ明確には解っていない状態であり、世界的に見ても水循環系の健康リスクへの対応が遅れていると言わざるを得ない状況となっている。
今後は、カーボンニュートラルを実現すると同時に、生活環境に潜むこれら危険物から解放された安全で安心な下水道技術を実現することが求められている。
そこで、2025 年度からは、 「脱炭素社会に対応し、安全かつ安心な下水道の達成に向けた革新的技術開発」をテーマとし、2年間の計画で調査研究に取り組む。
テーマ「脱炭素社会に対応し、安全かつ安心な下水道の達成に向けた革新的技術開発」
(2 年計画の1年目)
〇主な活動
・産学官の専門家や水事業の専門家を講師に招き、技術的課題や社会システム面での課題につい
て調査研究を実施する。
・下水道を中心とした国の施策動向、下水汚泥のエネルギー化、省エネ促進、安全・安心の水循環
系の実現、NETs 技術、震災対応、ウォーターPPPを含めた事業の持続性などについて調査研究
を行う。
・調査研究に関連する事例の施設見学を通じ、技術的課題や方向性についての調査や評価を行う。
問い合わせ先
(一財)大阪科学技術センター 技術振興部
〒550-0004 大阪市西区靱本町1-8-4
TEL:06-6443-5320 FAX:06-6443-5319
MAIL :matsuyoshi @ ostec.or.jp
担当 : 松好 弘明
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